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横溝正史「獄門島」感想(金田一耕助シリーズ)

 

獄門島 (角川文庫)

獄門島 (角川文庫)

 

 

著者

横溝正史

 

刊行

1947年1月から1948年10月までの計17回、雑誌『宝石』に掲載

 

あらすじ

金田一耕助は、戦友・鬼頭千万太の死を知らせるため千万太の故郷"獄門島"へ向かう。千万太は死の前にある言葉を金田一に告げていた。「俺が生きて帰らなければ、3人の妹たちが殺される…」

 

登場人物

金田一耕助

鬼頭千万太

鬼頭嘉右衛門

鬼頭与三松

お小夜

鬼頭月代

鬼頭雪枝

鬼頭花子

 

感想

閉鎖的かつ排他的な村というか島。その島に住む人々の狂気。おどろおどろしく薄気味悪い雰囲気が常に出ており、読んでいる間はひたすら怖かったです。

 

推理小説のお手本になるような推理小説でした。もしも推理小説を書くための教科書があるなら、掲載されてしかるべき作品の様に感じます。評価の割に「犬神家の一族」などより知名度が劣る気がするのは、物語の鍵を握るキーワードが世間一般的に差別用語として認知されている言葉なのが大きのでしょうか。

 

あと、作品の中に登場し第六章のサブタイトルにもなっている「夜はすべての猫が灰色に見える」というフランスの諺が気に入っています。

 

メモ

『見立て殺人』

見立て殺人:童謡や言い伝えなどある特定のもののに見立てられて、死体や現場(発見現場ないし殺害現場)が犯人に装飾させられている殺人事件のことである(殺人にまで及ばないこともある)。筋立て通りに殺人が行われるという異様な不気味さを狙ったもので、トリックというよりもプロットに属するが、アガサ・クリスティの『ABC殺人事件』や横溝正史の『八つ墓村』のように、見立てることがトリックという例も少なくない。
江戸川乱歩は「類別トリック集成」の中で「童謡殺人」「筋書き殺人」という名称で見立て殺人を取り上げている。この中で乱歩は故人の言葉や古文書などの筋書き通りに恐ろしいことが起きるという着想は日本の古い物語や、オラクル、亀卜のような占い、また聖書などにも見られ、それら同じ恐ろしさを探偵小説に応用したものと解説している。

見立て殺人 - Wikipedia

 

獄門島 (角川文庫)

獄門島 (角川文庫)

 

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