どーるの本棚

読んだ本、見たアニメ・ドラマの感想を書くブログ

坂木司「和菓子のアン」感想

 

和菓子のアン (光文社文庫)

和菓子のアン (光文社文庫)

 

 

著者

坂木司

 

刊行

2010年

 

あらすじ

すこしぽっちゃりした体格の主人公梅本杏子(通称アンちゃん)が、和菓子店「みつ屋」で様々な人々と出会い成長していく"和菓子"ミステリー

 

感想

和菓子とは縁遠い生活を送っていましたが、読んでいる最中でも和菓子を買いに走りたくなりました。

 

ミステリーではありますが人が殺されたりするのではなく、全体的にのんびりまったりとした雰囲気が広がる日常の謎系統で、和菓子だけに3時のおやつのような作品です。そんなのんびりまったりした雰囲気だけでなく、登場人物みんなが個性的なものの温かく感じるところがお菓子っぽいのかもしれません。

 

この本の1番の魅力はあちこちに散りばめられている和菓子のトリビアで、和菓子の持つ歴史や奥深さを知ることができます。これから和菓子を食べるときは、ちゃんと目で楽しんでから口へ運ぶようにしよう。

 

少しコンプレックスを持っているアンちゃん自身の魅力もあるのだろうけど、何かに真剣に取り組んでいる人の話はフィクション、ノンフィクション問わず引き込まれます。

 

メモ

『辻占』

辻占:辻占(つじうら)とは、日本で行われた占いの一種である。
元々の辻占は、夕方に辻(交叉点)に立って、通りすがりの人々が話す言葉の内容を元に占うものであった。この辻占は万葉集などの古典にも登場する。類似のものに、橋のたもとに立って占う橋占(はしうら)がある。夕方に行うことから夕占(ゆうけ)とも言う。偶然そこを通った人々の言葉を、神の託宣と考えたのである。辻は人だけでなく神も通る場所であり、橋は異界との境をなすと考えられていた。京都・一条堀川の戻橋は橋占の名所でもあった。
大阪府東大阪市瓢箪山稲荷神社で今も行われる辻占は、通りすがりの人の言葉ではなく、その人の性別・服装・持物、同行の人の有無、その人が向かった方角などから吉凶を判断する。まず御籤で1〜3の数字を出し、鳥居の前に立って、例えば御籤で2が出れば2番目に通った人の姿などを記録する。その内容を元に宮司神意を伺うのである。
江戸時代には、辻に子供が立って御籤(これも一種の占いである)を売るようになり、これも辻占と呼んだ。前述の辻占とは独立に発生したもので、直接の関係はない。さらに、辻占で売られるような御籤を煎餅に入れた辻占煎餅(フォーチュン・クッキーはここから派生したもの)が作られ、これのことも辻占と呼んだ。石川県の金沢市には正月に色とりどりの辻占煎餅を、縁起物として家族で楽しむ風習があり、現在も和菓子店における辻占の製作風景は、年末恒例の風物詩となっている。

辻占 - Wikipedia

 

和菓子のアン (光文社文庫)

和菓子のアン (光文社文庫)

 

にほんブログ村 本ブログ ミステリー・推理へ