アガサ・クリスティ「そして誰もいなくなった」感想
著者
刊行
1939年
あらすじ
孤島に招かれた10人が童謡になぞらえて次々と死んでいく
孤島に招かれた10人
ヴェラ・エリザベス・クレイソーン・・・家庭教師
フィリップ・ロンバード・・・元陸軍大尉
ウィリアム・ヘンリー・ブロア・・・元警部
ローレンス・ジョン・ウォーグレイヴ・・・元判事
エミリー・キャロライン・ブレント・・・老婦人
ジョン・ゴードン・マカーサー・・・退役した老将軍
エドワード・ジョージ・アームストロング・・・医師
アンソニー・ジェームズ・マーストン・・・青年
トマス・ロジャース・・・召使
エセル・ロジャース・・・召使(トマスの妻)
感想
言わずと知れたアガサ・クリスティによるクローズド・サークル作品の傑作です。エドガー・アラン・ポー「モルグ街の殺人事件」を最初にし、それこそ星の数ほど刊行されてきた推理小説の中でも最も有名な作品ではないでしょうか。
孤島に集められた人々が、姿なきU・N・オーエン氏の告発と周りの人が次々死んでいく恐怖の中で、それぞれが疑心暗鬼となり精神が破綻していく。そう書くと残酷な描写が多そうに聞こえますが、実際に読むと全くそのような印象は受けず、推理小説としてのエンターテイメントを純粋に楽しむことが出来ました。
また、10人という結構な人数が死んでいくものの、アガサ・クリスティだからこそなせる技なのか、テンポよくスラスラ読み進められます。そして、誰もいなくなり唖然としたところで種明かし。人が死ぬのと連動し数が減っていく人形も物語を盛り上げてくれます。
序盤に登場人物が一気に出てくるので、自分のように記憶力が悪い人は人物を紙にメモるなどして読み進めていくといいかもしれません。
メモ
アガサ・メアリ・クラリッサ・クリスティ(1890年9月15日 - 1976年1月12日):イギリス生まれの推理作家である。発表された推理小説は世界的なベストセラーとなり「ミステリーの女王」と呼ばれた。英国推理作家のクラブであるディテクションクラブの第4代会長。メアリ・ウェストマコット (Mary Westmacott) 名の小説が6作品ある。