柳広司「ジョーカー・ゲーム」感想
著者
刊行
2008年
あらすじ
陸軍内に極秘裏に設立されたスパイ養成学校"D機関"にて教育されたスパイ達が繰り広げる短編スパイミステリー
『幽霊 ゴースト』
『ロビンソン』
『魔都』
『XX ダブルクロス』
感想
「死ぬな、殺すな、とらわれるな」"D機関"での訓練は多岐に渡り、爆弾や無電の扱い方・数ヶ国語に及ぶ外国語・国体論、宗教学、国際政治、医学、薬学、心理学、物理学、化学、生物学・スリや金庫破り・カードのすり替え・変装術などなど様々なことを学びます。そして、竹べら一本で跡も残さず封書を開封することや、鏡に映した左右反対の文字を一瞬で読み取り暗記することを求められました。このような訓練を受けたスパイ達は、その圧倒的な推理力・状況判断能力を発揮し諜報戦の戦果を上げていきます。天才スパイ達のその一挙一動にただただ目を奪われました。短編のためすごく読みやすかったです。
また、この作品は亀梨和也さん主演で映画化もされています。
メモ
『柳広司』
柳広司:1998年、「挙匪(ボクサーズ)」で第4回歴史群像大賞佳作。2001年、原書房から刊行された『黄金の灰』で小説家デビュー。2008年に刊行された『ジョーカー・ゲーム』は、「このミステリーがすごい!」で第2位、「週刊文春ミステリーベスト10」で第3位と高く評価された。2009年、同作で第30回吉川英治文学新人賞と第62回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)を受賞。